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2005年04月14日

第36話

───亀島中央地区・ひろき邸───

暗闇に閉ざされた館を眩しいくらいにオレンジ色の光が照らしつけた

杏。「予備電力作動、館内電力復帰しました」
ひろき「う~む、ご苦労。ご苦労。」
西船橋「ひろき様ご自身の端末から爆発首輪を操作出来るとは・・・」
ひろき「BOTやツールと同じだよ、付加機能の無いモノなどゴミにしか過ぎん」
杏。「ところで、7番と27番は逃げた模様ですが。」
ひろき「そのまま爆殺してしまうのもつまらんな~・・・そうだ、カジキはいるか?」

ひろきが呼ぶと一人のアサシンクロスが姿を現せた
カジキと呼ばれたアサシンは、冷酷、冷血な職業であるアサシンの中でも一際人間らしくないオーラを放っていた

ひろき「鮪子さん、ぜ~ろ君とMisty君の二人、思いっきり痛めつけて嬲り殺しにしてきなさい。」

カジキ鮪子は返事もなく頷くと、消えるように部屋を去っていった

杏。「あのような半肉に任せて良いのですか?カジキは完全なBoterになりきれない半端ものです」

ひろき「わかってないなバカチン。だからこそ迷惑な仕事をやってもらうのだよ。
    半肉には半肉で便利な用途があるのさ」


───亀島中央地区───


ぜ~ろ「あ・・・ハァ、はぁっ、くっ、そ・・・ふざっ、けんな・・・!」

暫く走ったところで二人はしゃがみ込んでいた
全力で走って相当に疲労して状態のまま、ぜ~ろはMistyの肩を揺さぶり怒声を浴びせた

ぜ~ろ「成功すんじゃなかったのかよっ!hiroのやつ、死んじまったぞ!
    もう誰も信じられねえよ!お前もなぁ!」

肩を掴んだまま乱暴にMistyを横倒しにする
抵抗の意思も見せずにMistyはそのまま倒された

ぜ~ろ「どうせ生き残るのは一人なんだ!一人だけ・・・!」

ぜ~ろの指先に魔力が集中する
Mistyはぼうっとそれを眺めて、まるで精気のない唇を動かした

Misty「・・・殺すなら殺せよ・・・こんな悪い夢はもう、たくさんだ」

ぜ~ろ「う・・・く、畜生ぉ・・・」

たちまちぜ~ろの顔が涙と鼻水に濡れる。集中させていた魔力は霧散してしまった

Misty「これ以上悪い夢がどこにあるんだ。仲良くやってたクラスメイトは死んだ、
    仲良くしてない人も死んだ、俺を信じてくれたhirodyは死んだ、ルシーズも死んだ、oroも!」

今度はMistyの番だった。泣き顔のぜ~ろの肩を掴んで睨みつける

Misty「俺らが何したんだよ!何をしたんだ!だからこのままで終わっていいのか!」

ぜ~ろを軽く突き放してMistyは立ち上がる

Misty「俺の命と引き換えにしてでも、一矢報いに行く!」
ぜ~ろ「Misty、悪い事言ってすまなかった・・・俺もやるよ、死んでもいい、hiroの仇をとる」

ぜ~ろも立ち上がった。首輪の解除が出来ない今、どうすればひろきに一矢報いれるかはわからない
だが、命を惜しまなければきっと何かが出来ると思った

二人は顔を見合わせて頷く。戦う算段はないが二人の足取りはひろき邸へと向かおうとしていた

その時だった。
完全な死を覚悟したせいか、Mistyの研ぎ澄まされていた精神は感じる筈のない気配を感じたのだ

Misty「ぜ~ろ・・・?ぜ~ろ、伏せろ!!」
ぜ~ろ「は・・・?」

投稿者 lirim : 2005年04月14日 00:45

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